中国進出企業に聞く!

- 第1回 -
株式会社グリーンポット

近年のガーデニングブームの衰退・リーマンショック後の経済低迷で苦戦を強いられるなか、新規事業を立ち上げ、中国市場への参入を果たした『株式会社グリーンポット』の古川社長からお話を伺うことが出来た。

新規事業のご紹介

水質浄化用エコバイオ・ブロック 「ECO-BIO BLOCK/艾克宝」

「ECO-BIO BLOCK/艾克宝」は世界で初めてセメントに安全な納豆菌群の一種を生きたまま封入し、水に入れると水中の有機物を餌として増殖し、悪臭や水の汚れを除去する水質浄化用コンクリートブロックです。

水の中に置くだけで長期間ゆっくり働き、人や魚に安全で、電気エネルギーを使用しないシンプルな生物処理による水質浄化方法で、本来自然の中に生息する好気性菌による自浄作用を助け、水を魚が棲める環境に戻します。

このような働きから、家庭廃水等の有機物で汚染された池・湖沼・水路の浄化や、養殖場・観賞用水槽の水質浄化に最適です。
また窒素・リンなど富栄養化による植物プランクトンの増殖によるアオコの発生を抑える効果もあり、現在日本だけでなく、韓国・マレーシア・インドなどの河川や池で、国家プロジェクトを含め実績を作りつつあります。

中国市場参入の経緯

当社は25年前からヨーロッパを皮切りに海外から陶器製植木鉢を直輸入し、近年は中国への委託生産も増え、頻繁に中国各地を訪問しておりました。そうした折、以前より深い取引関係にあったコヨウ(株)が開発した水質浄化材「エコバイオ・ブロック」の商品説明会を2007年6月上海と成都で主催致しました。また2007年11月には福岡県主催による南京環境セミナーや無錫商談会へ参加し、これを契機に当社はコヨウ(株)より中華人民共和国に向けた「エコバイオ・ブロック」の輸出エージェントとして中国代理店への販売を一任されました。また江蘇省との姉妹交流県である福岡県の全面的な支援を受ける事にも成功し、中国における環境ビジネスを2008年春よりスタートさせることとなりました。

これにより今後当社は「エコバイオ・ブロック」の中国市場での営業・流通部門を担当し、この製品の地域別(省単位)販売代理店の開拓を担います。ただ当社はあくまで製品のPR・技術サポートと輸出に徹し、中国国内販売は中国側代理店に委ねることにしました。以後上海や広州・香港などの展示会に出展、PRをしてまいりましたが2008年5月、今までの代理店希望企業を上海に集め代理店説明会を開催し、その中から江蘇省の販売代理店として初めてJOC江蘇海企国際貿易有限公司様が決定し契約させて戴きました。代理店がスムーズに作れた理由の1つは中国内での営業販売権を中国企業に委ねたことと、福岡県を通して省政府側の人脈を取り付けられたことからだと思いますが、契約書の作成にあたり十分時間をかけて両者が納得する内容に作り上げたことが信頼関係のベースになっていると思います。


〈2008年7月 上海万博EBBプレゼン〉


〈2008年1月 無錫環境商談会〉

成功の秘訣・成果

業務用「エコバイオ・ブロック」の用途が池や河川であることから代理店の営業先のほとんどが市政府や省政府でありますが、営業の過程で要求されたのが中国内での実績データでした。そこで、どこか知名度のある南京市内の池または河川でテストをする必要を感じていましたが、2009年4月JOC様の熱心な営業活動により、南京市にある歴史観光施設、「南京総統府」において「エコバイオ・ブロック」の投入テストが実現しました。ご存知の方も多いと思いますが、「南京総統府」は孫文先生が国民政府を建国された際の臨時政府執務官邸として多くの国民の知るところであり、年間200万人の観光客で有名な所です。

2009年2月、総統府龍館長にお会いし、池の一部を仕切ってテストのお願いをしたところ、快く承諾され、総統府の中でも有名な大平湖煦園内の360m⊃のスペースを頂きました。水深1.8m近くの水量600トンにEBB wave を240個投入するために総統府側から設置架台を作って戴き、池の仕切り工事もしてもらいました。設置当日は、省政府関係者を始め、福岡県上海事務所所長にもご出席いただき投入セレモニーを実施しましたが、地元TV局の取材も有り、多くの南京市民の知ることとなりました。


〈2009年4月 南京総統府EBB投入テスト〉

その後・今後の課題

設置から1か月後の2009年5月19日、水質検査を実施したところ、BOD,COD,濁土、SS, T-N、大腸菌群などほとんどの数値が投入前の半分に改善され、3か月後には見た目にも仕切りの外側の水質と比べ改善が顕著に表れたために、総統府からも認めて頂きました。

そしてその後、総統府側より敷地内の4つの池、約4000m²の見積を代理店に依頼され、新たな提案書と見積書を提出した結果、9月上旬に正式に受注し、9月9・10日で設置工事を完了しました。現在冬季で水温が低いため改善効果はこの春まで待たなければなりませんが、この設置工事のお陰で省政府敷地内の人工池への設置や南京市内の運河・河川の浄化プロジェクトへの見積要請など新たな案件が増えつつあります。


〈2009年9月 大平湖EBB設置〉

今後の課題としては、中国国内の水質環境は様々で、一様には行かず、案件1つ1つの水質データに基づいた投入設計が必要であり、日本側のサポート体制と代理店担当者への技術指導が急務であることです。またその池や河川を自然の自浄作用により生物が元気に生息できる環境にまで改善するためには、日本がそうであったように、地域住民の環境意識の高揚と行政側の汚染発生源に対する規制や長期的な改善計画が必要と思われます。

そして南京総統府での成功が中国各地で発生している水質汚染解決の糸口になれば嬉しい限りであり、各地域の販売代理店開拓への追い風になってくれることを期待しています。

会社概要

会社名 株式会社グリーンポット
創業 1970年
設立 1982年
従業員数 13名(2009年12月31日現在)
URL 植木鉢専用: http://www.greenpot.co.jp/
エコ商品専用: http://www.life-eco.jp
EBB製造メーカー: http://koyoh.jp/
事業内容 水質浄化材「エコバイオ・ブロック」中国輸出元
陶器製植木鉢直輸入卸販売、園芸用土、肥料製造販売
エクステリア資材、環境資材開発販売
執筆者
代表取締役 古川普紹